満開を迎えた彦根市の彦根旧港湾の桜並木で、枝に釣り糸や疑似餌(ワーム)が数多く絡まり、景観の悪化を招いている。旧港湾は外来魚の釣りスポットとして知られる一方、国宝の彦根城天守を望む花見ポイント。一部釣り人のマナーの悪さに加え、管理者の滋賀県や市が注意や清掃をせずに放置し、悪化が進んだ形だ。
彦根城北側の彦根旧港湾両岸には、県と市が景観整備のために植えたソメイヨシノなど約150本が並ぶ。
ここで近年、釣り人が急増。県東北部浄化センターの温排水が流れ込んで冬場にもブラックバスやブルーギルが集まる釣り場として知られ、さらに昨年7月に近接する彦根城の堀が釣り禁止になったためだ。
これに合わせて釣り人が桜の枝に絡まった釣り糸や疑似餌を置き去りにするケースが増えたという。中には、複数の疑似餌がぶらさがった木もある。一方で、県や市の対策は進んでいない。
彦根旧港湾一帯は県と市の管理区域が入り組むうえ、県、市内部でも河川の管理、桜の管理、外来魚対策など担当課が複数に分かれているため、具体策が進まなかったという。
外来魚駆除の釣り大会を1月と3月に催した県琵琶湖レジャー対策室は「参加者にはマナー徹底を呼び掛けている。外来魚駆除も大切なので、日ごろ来る釣り人に注意する方法を考えたい」といい、県湖東土木事務所が清掃を検討する。彦根市都市計画課も「植栽を管理する事業者に清掃をお願いする」としている。
彦根城の桜の維持管理に携わる樹木医の川崎昭重さん(74)は「釣り糸が絡まっただけでは桜が弱ることはない。ただ、公共の場で釣りをするなら、桜を見る楽しさや景観を守ることとも両立させてほしい」と話している。