琵琶湖の南湖で2000年以降に異常繁茂している水草が、南向きに中央部で二手に分かれる水の流れをつくっていることが、滋賀県琵琶湖環境科学研究センター(大津市)の調査で分かった。部分的に強い流れが生じ、定置網の「えり」が倒壊する一因となっているほか、水の流れがなくなった西岸でアオコ発生を誘引しているという。
調査は、超音波を使って水流の方向と速度、水草の高さを測定した。南湖での水の流れは、北から南へ縦断する主流と、部分的に強い流れ、水が流れない停滞域の3タイプがあった。
主流は、北湖からの水流が水草群落の間を抜けて南下し、南湖中央部の巨大群落にぶつかって二手に分かれていた。水草が異常繁茂する前は、水はそのまま南下したり、風によって環流していた。
水草の高さが湖底から水面までの50〜70%にとどまる守山市沖など一部では、水流が強いところで毎秒16・7センチと平均の2・5倍もあった。湖面に達した水草に流れを遮られた水が、水草の少ないエリアに集まったとみられる。同市沖では漁業者から「えりが倒壊する」との報告が多く、強い水流が押し倒した可能性が高いという。
また、アオコ発生の主な原因となる植物プランクトンは、大津市堅田沖など西岸で多かった。西岸は主流からはずれ、従来のような湖岸に届く環流もなくなったため、植物プランクトンが大量発生しやすくなった。
同センターの石川可奈子主任研究員は「えり倒壊やアオコ発生などの課題を踏まえ、南湖全体で効果的な刈り取りを検討するための指標として活用したい」と話している。