2009年09月23日

防波堤釣りに「待った」/横浜市などが規制強化探る

 本来は立ち入り禁止だが、釣りの穴場スポットとして人気を集めている横浜港沖合の防波堤や灯台の利用に、横浜市が「待った」をかけようとしている。「いつ転落事故が起きてもおかしくない。これ以上は放置できない」と、県警や県、第3管区海上保安本部を巻き込んだ対策会議を18日に初開催。規制強化の方策を探り始めた。こうした動きに、客を防波堤に運ぶ釣り船店などからは「長い間黙認されてきたのに…。死活問題だ」と困惑の声が上がっている。

 「波しぶきの中で、釣りの醍醐味(だいごみ)を味わえる。危険は感じるが、自己責任で利用するのは構わないのではないか」。10年ほど前から「防波堤に渡って釣り糸を垂らすのが趣味」という同市保土ケ谷区の男性(47)は、事もなげに言う。

 横浜港沖合の防波堤や灯台は、ベイブリッジの橋脚付近や山下ふ頭沖などに約10カ所あり、築造年代は最も古いもので約150年前。その多くが波に洗われて浸食されており、満潮時は水面下に隠れてしまう所もある。港の拡大に伴ってさらに外側に防波堤が造られるなどしたため、今では“無用の長物”ばかりだが、「除去費用は1カ所で数億円も掛かる上、遺構的価値もある」(市港湾局)として、放置されたままになっている。

 以前から釣り情報誌などで「クロダイやスズキなどの大物が釣れるポイント」として紹介され、太公望の好奇心をかき立ててきた。「渡し船」を運航する業者も複数存在。市は、「港湾施設使用条例などで立ち入りを禁じている」との立場を示しながらも、事実上、防波堤の利用を黙認してきた。

 転機となったのは、2007年8月に大阪湾の防波堤で釣り人が転落死した事故。遺族が大阪市の管理責任を問う損害賠償請求訴訟を起こした。対策会議では、この事故を参考に、満潮時に水没する場所などは全面立ち入り禁止にする、などの法的、物理的な対策を検討していく。横浜水上署は一足早く対策に取り組む意向で、「これまでも、陸続きの防波堤で柵を壊して禁止区域に立ち入った釣り客らを軽犯罪法で摘発してきた。沖合についても、市から通報があれば立件する」方針を固めている。

 だが、長らく黙認されてきただけに、全面的な立ち入り禁止などは難しいという指摘も。市や県警の関係者からは「安全に釣りを楽しめるルールを確立できないものか」との声も上がる。

 同市中区山下町で約90年続く釣り船店の男性店主(62)は「戦後の埋め立てで漁業権を放棄した際の損失補償の一環として、(防波堤の利用は)認められているはずだ」と主張する。

 大阪港の防波堤釣りをめぐっては、規制強化の動きに愛好家らが反発したため、救命胴衣を備え付けるなどの妥協案が検討されている。横浜でも、安全とレジャーの間で「落としどころ」を探る議論が続きそうだ。

+Yahoo!ニュース-神奈川-カナロコ

Posted by jun at 2009年09月23日 13:59 in 釣り関連業界

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