ヤシ類を食害する外来の大型甲虫「ヤシオオオサゾウムシ」が県内で初めて、田辺市稲成町で確認された。全国的にフェニックスの害虫として広がっている。県南部では南国の雰囲気を演出しようと国道沿いや公園などに多く植えられており、県立自然博物館の的場績専門員は「県内全域に広がる可能性がある」と警戒を強めている。
今年7月、田辺市稲成町、農業、楠本浩子さんが梅畑で1匹を見つけた。「今まで見たことがない」としばらく飼っていたが死んでしまい、8月27日、同市稲成町のふるさと自然公園センターへ持ち込んだ。同センターからゾウムシに詳しい的場専門員に連絡した。今回見つかった個体は全長37ミリ。全体は赤褐色している。最大で全長40ミリほどになるという。標本は県立自然博物館に寄贈した。
東南アジアやオセアニアの熱帯域に自然分布。日本では1975年ごろに沖縄県へ侵入したのが初めてで、その後、九州や西日本などで確認されるようになった。フェニックスの幹最上部の比較的新しい葉柄を中心に食べる。食害が進むと最終的に木が枯死してしまう。
フェニックスを県木に指定している宮崎県では、98年の初確認後、徐々に広がり、各地で被害が発生している。宮崎県自然環境課によると、いまは県南、県央にまで拡大しているが、対策として薬剤散布と被害木の伐倒を行い、減少傾向にあるという。
三重県では2003年に初確認。津市のフェニックス通りで被害が出たものの、同様の対策で今は収まっている。
的場専門員は「今後、枯死したフェニックスから同種が見つかるかもしれない。もし見つけたら連絡してほしい」と呼び掛けている。