2009年08月13日

長野で強いミツバチ飼育プロジェクト 「失踪」で在来種見直し機運

 ミツバチが大量にいなくなり、各地で果物の受粉作業などに影響が出るなか、原因ともいわれる農薬や害虫に強い在来種のニホンミツバチを長野の高原で育てる「ミツバチの飼育プロジェクト」が、月末からスタートする。ミツバチのうち、“失踪(しっそう)”しているのは飼育に適した外来種のセイヨウミツバチで、在来種を見直すことにより、ミツバチ不足を補おうという試みだ。

 このプロジェクトに取り組むのは、農業系の出版社「農山漁村文化協会」(農文協)と、岩手県の養蜂(ようほう)家で東京農業大学客員教授の藤原誠太さん。

 藤原さんによると、養蜂家が普段ハチミツの採取に使うセイヨウミツバチは、品種改良を重ねたことで大量にミツを集めることができる。だが、昨年以降、各地で原因不明の失踪(または大量死)が相次いでいる。

 一方、在来種のニホンミツバチは嗅覚(きゅうかく)が鋭く、化学物質をかぎわけるうえ、害虫や寒さにも強い。ただ、これまでは生態に適した飼い方の研究がほとんど行われておらず、自然巣を壊してハチミツを採取する以外、あまり養蜂に用いられてこなかった。

 藤原さんは専用の巣箱を開発するなど約20年前からニホンミツバチの飼育に取り組んでいる。「日本の風土に合ったミツバチで、本当は飼いやすい。ミツもコクがあってキレがいい」という。

 今回、セイヨウミツバチの大量失踪で、ニホンミツバチの飼育に期待が高まったことを受け、農文協が所有する長野県小谷村栂池高原の学習センターに養蜂場を設けて、ニホンミツバチを飼育することにした。

 冷涼な地を選んだのは、地球温暖化が失踪理由の一つに指摘されているため。冬は気温が氷点下になる栂池高原では、セイヨウミツバチは冬を越せないが、寒さに強いニホンミツバチなら可能という。初年度は10月ごろまでに5箱(群)のニホンミツバチを飼育し、順次増やしていく。希望する養蜂家へ飼育方法の指導を行うほか、採取したハチミツの販売も予定している。

 また、24〜26日には栂池高原でミツバチに触れたりハチミツ絞りの体験をするツアーも実施する。農文協では「ミツバチを通じて地球温暖化や農薬による環境破壊などを感じてもらえる得難い機会。飼育だけでなくツアーも継続して実施したい」としている。

 ミツバチの大量失踪は、日本だけでなく米国など北半球各地からも報告があり、農家にとって深刻な問題になっている。

+Yahoo!ニュース-経済総合-フジサンケイ ビジネスアイ

Posted by jun at 2009年08月13日 19:01 in 外来生物問題

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