彦根市の彦根旧港湾で水草が異常繁殖し、要因として県の下水処理排水が成長を促すことが挙げられている。景観悪化や悪臭などで、近くの彦根城観光への影響が懸念され、県は30日までに、学識者や地元住民を交えた懇話会をつくり、抜本対策の検討を始めた。
県東北部流域下水道事務所(同市)などによると、異常繁茂は2000年以降、報告されるようになった。県東北部浄化センターの温かい下水処理排水のため冬でも水温が15度前後あるうえ、高度処理された排水で旧港湾の透明度が改善され、光合成を盛んにしたと考えられるという。
異常繁茂しているのはウキクサや、外来種の水草のオオカナダモやフサジュンサイなど。県は6月17日に、水環境や生態系の研究者と県、市の代表者、地元自治会代表ら12人で環境改善懇話会を設置、現地を視察した。
懇話会では、排水による水温上昇などを緩和するため「排水を一カ所でなく分散すべき」との意見や、「水草にはアオコの要因を除去する効果もある。適正な管理が必要」との指摘があった。今後2年間かけて対策方法をまとめる。
同事務所は市と合同で03年から年2回刈り取りを行っており、本年度は背丈の低い在来種の水草に植え替える実験も行う予定で、この成果も検証する。
徳島英和事務所長は「彦根城は世界遺産登録の話もあり、かつて外堀だった旧港湾は今後注目される。望ましい将来像と対策を検討したい」と話している。