4月から5月にかけて県内で、法律で遺棄が禁止されているホクベイカミツキガメやワニガメ9匹が相次いで捕獲された。大きくなったのに困った飼い主が捨てているとみられ、カメを引き取っている大学教授は「遺棄は犯罪」と憤っている。
両カメは米国原産。生まれた直後は、3、4センチ程度の大きさで、1980年代後半から、ペットとして人気を博した。数万匹が日本に入ったとみられる。
2000年から動物愛護管理法で、ともに飼育や移動に許可が必要となり、遺棄が禁止に。ホクベイカミツキガメは、生態系を破壊する恐れがあるとして05年、特定外来生物被害法の「特定外来生物」にもなった。
両カメが、4月から5月にかけて、豊田市や豊橋市、岐阜県各務原市などで、河川や動物病院の駐車場から、相次いで9匹が見つかった。処分先に困った自治体などは、動物生態学専門でカメの研究を続ける愛知学泉大豊田学舎(豊田市)の矢部隆教授のもとに持ち込み、数はわずか2カ月で倍増した。
見つかったカメは、甲羅のサイズが30センチ程度のものが主流。矢部教授は「ブームに乗って飼い始めたが、大きくなりすぎたのに困った飼い主が捨てているのだろう」と憤る。
ともに自然に放つと、人に危害を加える可能性がある上に、大食漢で生態系のバランスを崩す恐れがある。遺棄などが原因で豊川や矢田川で繁殖の兆しもあるという。
遺棄については、ともに罰金刑や懲役刑がある。矢部教授は「飼えなくなったから捨てるのは無責任な上に犯罪。困ったら保健所などに相談を」と呼び掛ける。持ち込まれたカメは、餌やスペースの問題から飼い続けられず、ほとんどを冷凍で安楽死させるという。 (池田宏之)