琵琶湖の若手漁師らがこのほど、外来魚の缶詰を開発し、災害時の非常食として活用を探っている。南湖では外来魚駆除が漁業収入の柱の一つになっているが、漁師らは「行政の補助金頼みから少しでも脱し、独自収入に結びつけたい」としている。
外来魚は年間400−500トンが駆除されており、滋賀県などは駆除経費の補助を漁業者に支払っている。県漁業協同組合連合の青年会は、行政に依存するだけでは将来の展望が開けないとして、昨秋から本格的にオオクチバスとブルーギルの缶詰加工に乗り出した。
琵琶湖の学術調査で漁業者らと関係の深い近畿大が学内設備を使って缶詰加工に協力。漁師が自ら魚をさばき、缶に詰めて蒸し上げ、しょう油や砂糖、ショウガなどで味付けした。
オオクチバスは皮に臭みがあるため、たわしで何度もぬめりを取るなど丹念に下ごしらえした。イベントで市民に試食してもらったところ、47人のうち42人が「おいしい」などと回答し、「ご飯がすすむ」「サバの水煮のよう」と評価したという。
外来魚の漁獲が不安定なことや加工設備がないなど課題も多いが、漁業者たちは、缶詰関連企業のアドバイスを受けながら量産化を探っている。
県漁連青年会の鶫飼広之理事(49)は「非常食なら困っている人たちの役にも立つ。少しでも利益が得られるようなら在来魚の放流費用に充てたい」と話している。